正平調

時計2019/09/14

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川に映る月影を、子どもの頃に追いかけた。遠い追憶を大正ロマンの画家、竹久夢二が詩にしている。〈その月影と並むで歩みたいと思ふて、急げども、急げども、追付(おいつ)けなかつた〉◆ありえないと笑われようが、僕はずっとその夢を追いかけている-詩はそう続く(「窓」)。川面の月には追いつけなくとも、空に浮かんだ月への進出を競う。そんな時代が来ようとは夢二も「へえ~」だろう◆米国のアポロ計画によって人類が初めて月面に立ってから、今年で50年になった。“偉大な一歩”のあとを追いかけて、いまは各国の競争が激しい。1月には中国が月の裏に探査機を着陸させ、世界を驚かせた◆失敗にこそ終わったものの、イスラエルやインドも今年、それぞれ探査機の着陸に挑んでいる。狙いは水という。もしも月に水があるとなれば、月で暮らすための飲料水やロケットの燃料に使えるかもしれない◆日本の探査機の着陸計画も進む。いつかは月面旅行、それもありえぬ夢ではなくなるのだろう。わくわくしつつ、浮かんだ光景はちょっと無粋でもある。各国の重機があちこち掘り返し、観光バスが列をなし…◆きのうは十五夜だった。お月さまはやっぱり地球から拝むに限る。それもわが家からの眺めがどこよりいい。2019・9・14

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