正平調

時計2019/09/16

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大阪市西淀川区の海岸部にある工業団地。その小さな石碑は、中島川の堤防沿いに立っている。「外島(そとじま)保養院記念碑」。川を渡れば尼崎市である◆1909(明治42)年に大阪、兵庫、京都など2府10県のハンセン病療養所として開設されたと碑文にある。「らい予防法」により患者を隔離収容するのが目的だった。浮浪する患者は保養院に送る。当時の神戸市の文書はそう記している◆34(昭和9)年9月21日、関西を室戸台風が襲う。河口の湿地帯にあった保養院は高潮で壊滅。入所者の約3割に当たる173人と職員ら23人が犠牲になった◆だが病気への偏見などにより、大阪近辺で再建地が定まらない。既に国立療養所長島愛生園があった岡山県の長島で38年に復興され、後に国立の邑久(おく)光明園となった。今、一つの島に二つのハンセン病施設があるのはこうした経緯による◆実は台風以前、保養院の移転計画があった。予定地周辺の反対で挫折したが、実現していれば被災もなかった。小山仁示・関西大名誉教授が生前に語っていた。「差別が外島を壊滅させた」と◆まもなく室戸台風から85年となる。記念碑の前で毎年行われている追悼法要が、今年は27日にある。邑久光明園の入所者も現地に赴き、犠牲者を悼むという。2019・9・16

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