正平調

時計2019/09/17

  • 印刷

奈良・吉野、京都・北山に並び称されてきた林業地が鳥取県智頭(ちづ)町だ。シリーズ「街道をゆく」で因幡(いなば)・伯耆(ほうき)のみちを歩いた作家司馬遼太郎さんも長い植林の歴史を持つ「智頭林業」の隆盛に注目した◆現代では智頭と言えば第三セクター鉄道の智頭急行がまず浮かぶ。京阪神と鳥取を最速で結ぶ特急「スーパーはくと」でおなじみだ。人口7千人弱の静かな町に本社がある。今年12月で開業25周年を迎える◆山陽本線上郡駅から智頭線に入る。千種川沿いを北上し、中国山脈を抜け、因美線智頭駅へ。56・1キロ、計14駅の短い鉄路が兵庫(播磨)、岡山(美作(みまさか))、鳥取(因幡)の3県にまたがる◆祖父の代まで姫路にいた司馬さんは播磨から美作に入ると、古代製鉄で栄えた「吉備文化圏」を感じ取った。「山のむこうの鳥取県も、出雲文化圏に属して、なにやら独特のふんいきをもっていた」と記す◆異文化が溶け合う様子は県境ならではの魅力だ。しかし特急だと大阪-鳥取が2時間半。利便性は向上したが、旅情を味わう余裕はあまりない◆智頭急行は業績好調で「三セクの優等生」とされる。本紙広域播磨面によると普通列車も学区再編で高校生の利用が増えている。移りゆく季節、各駅停車で県境に吹く山の風を感じたい。2019・9・17

正平調の最新
もっと見る

天気(10月21日)

  • 24℃
  • 18℃
  • 30%

  • 22℃
  • 12℃
  • 20%

  • 25℃
  • 16℃
  • 50%

  • 24℃
  • 15℃
  • 40%

お知らせ