正平調

時計2019/10/06

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童謡集「真珠島」から。〈ひとりさみしい山づたひ、わたしはけふもさがします。見たことのない「幸福(しあわせ)」を…〉。詩の題は「山づたひ」、作者はたつの市出身の詩人、三木露風である◆だれにでも子どものころの追想がある。私はそれを詩にしているのだと「真珠島」に露風は書いた。両親の離縁によって幼くして母と別れたその境遇を「幸福さがし」の文字に重ねるとき、詩意は一層胸に迫る◆北原白秋とともに「白露時代」と世にうたわれた露風の、今年は生誕130年にあたる。6月にはたつの市で記念のコンサートも開かれた。代表作「赤とんぼ」(作曲・山田耕筰)は時を超えて、歌い継がれる◆〈とまっているよ 竿(さお)の先〉。歌詞通りの姿勢でたたずむ赤とんぼ「アキアカネ」の写真を、おとといの朝刊1面で見た。あたかも紙面に窓があって、涼やかな秋風と野の香りが吹き込んでくるかのようだった◆田んぼの害虫を食べることから、「たのかみ(田の神)」と呼ぶ地方もあるそうだ。それが近年は減少著しいという。確かにあまり見かけない。たつののNPO法人が人工飼育に励んでいると記事は伝えていた◆夕焼(ゆうやけ)、小焼(こやけ)の あかとんぼ-。口ずさめば遠い〈いつの日か〉の夕景がまぶたに浮かぶ追想の秋である。2019・10・6

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