正平調

時計2019/10/10

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部屋にいたのはたった4人。5年前に青色LEDの開発でノーベル物理学賞を受けた天野浩・名古屋大学教授が、学会で発表したときの人数である◆一緒に受賞した赤崎勇・名城大終身教授と司会者を含めてだから、実際は1人だけだった。受賞記念講演でのそんな思い出話を読み、がらんとした部屋を想像したものだ。大きな業績も最初は小さな一歩◆この方はどうだったろう。今年のノーベル化学賞を受ける旭化成名誉フェローの吉野彰さんである。リチウムイオン電池を開発した業績が認められた。ゆかりの人を含め日本人の受賞が続く。眉をひそめるニュースが多いから、受賞の報にホッとする◆私たちが使っているスマートフォンなどの電池である。開発当時の予測と比べ、市場規模は200倍と、しばらく前に聞いた。電気自動車にも使うから、活用される分野はさらに広がる。現代を支える大きな力だ◆吉野さんは「役に立つのか分からない基礎研究は孤独感との戦い」と話していた。孤独感。それは受賞者に共通するものだろう。天野さんの語った「4人」ではないが、小さな一歩から、いつか、いつかと歩き続ける。その繰り返しで咲いた花である◆重ねた失敗と越えた日々。ゆっくり話を聞きたい日本人がまた1人。2019・10・10

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