正平調

時計2019/10/11

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インタビューを終え、「これからも勝って」と言うと、困ったような表情をした。好きな言葉ではないという。「ではどんな言い方が?」「ええゲームを、と言われる方がうれしい」◆話すのは亡くなった平尾誠二さんである。主将を務めていた神戸製鋼が初のラグビー日本一になった後だから、もう30年になる。ええゲーム。その言葉を思い出しながら、神戸でのワールドカップを見終えた◆4試合とも大差で、緩んだ展開になってもおかしくなかった。そうならなかったのは、劣勢にある側をスタンドが励ましたからだ。意地のトライでは観客もスクラムを押したように見えた。これまた、ええゲーム◆遠来の客は朗らかだった。得点に沸き失点に落胆しながら、プレーを楽しんでいた。グラウンドを酔って走る迷惑な若者も現れたが、楕円(だえん)のボールへの愛情は濃かった。これもまた、ええゲームの大事な要素◆平尾さんの言葉をもう一つ。「一番大事なのはボールですわ。落とさん。相手にやらん。つなぐ。ボールが生きたら、自分も生きたということ。目指すのはそこですわ」◆神戸での熱い日々は終わったが、ラグビーがもたらしたほてりは生かしたい。落とさん。やらん。つなぐ。渡されたボールは、私たちの腕の中にある。2019・10・11

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