正平調

時計2019/10/22

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幕末の乱世に開国を唱えた思想家、佐久間象山に〈時にあはば散るもめでたし桜花〉で始まる一首がある。散りゆく花もまた美しい。その歌を桜の戦士、ラグビー日本代表に重ね見る◆負けて何がめでたい、とのお叱りもあるだろうが、にわかラグビーファンの感想として許していただきたい。悔しさとすがすがしさが交差したような、泣き笑いのフィフティーンの表情はどれもまぶしく思えた◆日本代表の快進撃は史上初の8強で幕を閉じた。ワールドカップは初戦のロシア戦からちょうど1カ月。いまは台風禍による悲しみが列島に満ちるなか、たとえひとときでも味わえた興奮と感動を忘れはしまい◆巡り合わせとは不思議なもので、日本ラグビー悲願の決勝トーナメント、南アフリカ戦は元代表監督、平尾誠二さんの命日にあたった。外国出身の選手を積極起用したその人の“開国”路線はいまに通じている◆象山の歌は続く。〈めづるは花の盛りのみかは〉。花は満開のときだけをほめるものではない、と。日本ラグビーでいえば、平尾さんをはじめ多くの先人によって植えられた木があってこそのこの花盛りだろう◆夢の続きはこれからの楽しみにおいておこう。もうしばらく〈散るもめでたし桜花〉の余韻に酔っていたい。2019・10・22

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