正平調

時計2019/11/08

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こたつを出しました、という話をひと月ほど前の本紙「イイミミ」で読んだ。早いなあと驚いていたら、先日訪ねた親類宅の居間にもそれが鎮座ましましている。もうそんな季節らしい◆夏の炎暑と入れ替わるように台風や大雨が列島を襲い、落ち着いて感じ入る間もないまま暦の上での秋は去(い)にけり。きょうは二十四節気の「立冬」にあたる。住まいや装いの冬支度をそろそろ、という頃である◆英国の旅行作家イザベラ・バードが日本を訪れたのは1878(明治11)年のことだった。日本人には「おなじみのもの」として、炭火を入れた鉢を木の枠で囲い、布団をかぶせたこたつについての記述がある◆「布団のなかにそっと入り、布団をあごまで引っ張り上げたまま、暖かくて不精でだらしのない夕べをすごします…」(「イザベラ・バードの日本紀行」)。自分もそのとりこになってしまった、と書いてある◆冷気が忍び入ってくる茶の間に皆がそろって背を丸め、暖を取る。家族だんらんの場を黙って用意してくれた“こたつにみかん”のありふれた光景も、いまは時が流れ、次第に遠くなりつつあるのかもしれない◆懐かしい顔ぶれでこたつを囲み、こぢんまり鍋をつつく冬のうたげもいいだろう。思い出話に酔いながら。2019・11・8

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