正平調

時計2019/11/13

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駅員さんが切符にはさみを入れる。いまは懐かしい切り込みの形を、詩人の杉山平一さんは桜の花にたとえた◆〈みんなが心に握つてゐる桃色の三等切符を/神様はしづかにお切りになる/ごらん はら//と花びらが散る〉。「桜」と題した詩で、心身の疲れを花見で癒やすささやかな日曜のひとときをうたった◆首相を選挙で応援すると、神様ならぬ総理官邸から花見の特等切符が届くのか。首相主催「桜を見る会」に疑惑である。各界の功労者をもてなす春の宴に、地元の安倍後援会から多数の客が招かれていたという◆例えば自治会やPTAの役員も功労者であり、その人たちがたまさか後援会員ということもありうる。首相は国会でそう答弁した。「なあんだ、そういうことか」などと言ってうなずくほど、われわれ国民は純朴でいられない。さすがに詭弁(きべん)がすぎよう◆選挙民への供応に公金が使われた疑いがある以上、どんな功労でどなたを招いたか、つまびらかにすべきをなぜかそうしない。個人情報で言えぬ、しかも関連文書はすぐに捨ててしまうという。絶対あるだろう◆いろは歌にある。〈色は匂へど散りぬるを〉。疑惑の花びらとは不思議なもので、だれかが散らして隠そうとするほどますます怪しい臭気を放つ。2019・11・13

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