正平調

時計2019/11/17

  • 印刷

人でも動物でも、こするだけで消えてしまう。寺山修司さんの短編「消しゴム」は不思議な話だ。「赤糸で縫いとじられた物語」に収められている◆恋敵を消したい若者が買ってしまうのだが、もしかしたらこの方も手に…と、つい想像が膨らんでしまった。「桜を見る会」を巡って、21分間という異例の「ぶら下がり取材」に応じた安倍首相である◆税金を使った催しに多くの地元有権者を招待していたのはおかしい。夕食会費を事務所がかぶったのなら法に違反する。あれこれの疑惑を受けての取材対応である。どうやら押し寄せる大波を早く消したいようだ◆首相へのぶら下がり取材は立ったままで考えをただす場だ。いつもは一言二言で終わるのに、今回は21分間もかけた。説明責任を果たしたと言いたいのだろうが、この消しゴムに疑念を消す魔法の力はあるか◆間もなく没30年になる作家開高健さんは「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」という言葉が好きだった。位高ければ務め多し、と訳される。偉くなるほど、範を垂れることは多くなる◆あさって、安倍首相の在任期間が桂太郎の最長記録に並ぶ。憲政史に残る記録だが、みんなの範となる説明ができないなら、ことほぐ気にはなれない。2019・11・17

正平調の最新
もっと見る

天気(12月10日)

  • 15℃
  • ---℃
  • 0%

  • 16℃
  • ---℃
  • 0%

  • 16℃
  • ---℃
  • 0%

  • 15℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ