正平調

時計2020/01/22

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夏目漱石の「吾輩は猫である」でべらんめえ調の猫、黒(クロ)が悪態をつく。「人間ほどふてえ奴は世の中にいねえぜ」。おれのとったネズミをみんな取り上げて交番へ持っていきやがる、と◆1905(明治38)年の発表作である。この数年前にはペストが日本に上陸して恐れられ、感染拡大を防ぐためにネズミとりが奨励された。交番が買いとってくれたため、手柄を人間にとられる猫もいたらしい◆人の世を振り返れば、感染症との果てなき戦いの歴史であったに違いない。病原菌やウイルスをいったん鎮めても、彼らはよろいの強度を増してまた現れる。あのコロナウイルスが新型となって中国に出現した◆2003年にアジアで流行した肺炎「SARS」をもたらしたウイルスの名として記憶されている方もあるだろう。台湾人患者が兵庫県を旅行していたことが分かり、“未知の病”は大変な騒ぎを巻き起こした◆今度の新型肺炎も日を追うごとに患者が増えて、死者も出ている。日本でもすでに発症者が確認された。訪日客が増える春節(旧正月)が近づくなか、むやみに恐れることはないにせよ、楽観もまた禁物である◆人から人にうつるという。水際対策とまん延防止策をしっかり。“ふてえ人間”の歴戦の知恵が試される。2020・1・22

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