正平調

時計2020/01/30

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自宅の救急箱に古いマスクがいくつかある。神戸で新型インフルエンザの感染患者が出たころ、少し多めに買った残りだ。見ていると、心がこわばるようなあの頃を思い出してしまう◆11年前である。未知のウイルスによるインフルエンザが世界で大流行した。結局強毒性でなかったとはいえ、一時は身構えた。何しろ敵は見えない。手を洗い、うがいをし、マスクをする。そんな日々だった◆身構える季節、再びである。新型コロナウイルスによる肺炎患者が増える。こうして書いているさなかでも、患者数は膨れていく。日本国内では人から人への感染とみられる事例があった。気掛かりな局面である◆ウイルスに有効なワクチン開発のニュースが海外から相次ぐ。「感染が拡大し続ける最悪のシナリオに備え」というコメントに切迫感がある。急いでほしい。変異したウイルスがさらに牙をむくかもしれない◆スペイン風邪と呼ばれた新型インフルエンザに見舞われたのは大正時代だ。当時の高知を舞台にした宮尾登美子さんの小説「櫂(かい)」に「流行性感冒(はやりかぜ)というのは暴風雨(しけ)と一緒よ」というくだりがある。それから1世紀。やっかいな暴風雨を現代の力で抑えたい◆当方は手洗いを欠かさず、眠っていたマスクにもお出まし願おう。2020・1・30

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