正平調

時計2020/02/03

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「作るのではなく生む」。作曲家山田耕筰(1886~1965年)の生涯を追った後藤暢子さんの傑作評伝(ミネルヴァ書房)のタイトルに惹(ひ)かれた◆「日本のシューベルト」と称される。「この道」「からたちの花」「待ちぼうけ」…。西洋音楽を吸収し日本人の心に染みる曲を創作した。その数は1600曲に上るという◆詩を目で追うだけでメロディーを口ずさんでしまう。詩句に潜む「言語旋律」を感知し、「歌唱旋律」に置き換える。非凡な能力があったからこそ日々の暮らしから自然な音楽を生み得たことを後藤さんの著書で知る◆好きな童謡でアンケートを取ると上位に入るのが「赤とんぼ」だ。たつの市出身の詩人三木露風の詩が誕生して来年で100年。その詩情が永遠の命を宿したのは露風と耕筰のコラボの妙にほかならない◆同市は赤とんぼに続く童謡を世に出そうと85年からコンクールを開催しこれまでに94曲が生まれた。一昨年から歌唱コンクールも始めた。しかし赤とんぼを超す作品を出すのは至難の業だろう◆先月、地元出身の歌手多田周子さんのコンサートを聴いた。ゆうや~け、こやけの…。古里の山川が夕日に映える情景が深い余韻の中によみがえる。詩句と音楽の幸せな融合がそこにあった。2020・2・3

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