正平調

時計2020/02/17

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「2004年1月17日の新聞を見せてくれないか」。仙台で「震災学」という雑誌を作っている友人に頼まれた。東日本大震災からもうすぐ9年。阪神・淡路の9年後の神戸新聞に学びたいという◆「自分が生きている時代の百年前と百年後くらいには責任を持たなあかん」。詩人の倉橋健一さんは、あるシンポジウムで話していた。時代精神の鏡たるべき詩の書き手には、それほどの覚悟が必要なのか◆「千年後の世界のためにこの雑誌を作ってるんですよ」。こう語るのは、風俗情報誌の編集長を務めた生駒明さんだ。現代日本の性風俗を記録しておくことは、将来必ず役立つはずだ、と◆たかが雑誌のことで大げさだと笑えるだろうか。紫式部が源氏物語を書いたから千年前の男女の機微が分かるし、万葉歌は名もなき古代人の暮らしを伝える。思いを込めて書いたものは、残る◆小さな雑誌や詩歌の作り手が十年、百年、千年を視野に動いているのに、この国や世界の将来に本来責任を負うべき人たちはどうだろう。せいぜい半年か一年先の選挙しか見ていないんじゃないか◆いや、偉そうなことは言うまい。まずは今、読んでくれているあなたの知りたいことを届けねば。その積み重ねが、いつか誰かの役に立つよう願いつつ。2020・2・17

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