正平調

時計2020/02/22

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さわやかな一文だった。昨秋の本紙発言面に載った男子高校生、18歳の投稿である。題して「恩師への感謝状」◆幼い頃に両親が離婚し、寂しくて仕方なかったそうだ。小学6年生のとき、1人の教師が赴任してきた。甘えたい、と思わせる雰囲気で、思い切って話しかけてみた。すると「太陽のような笑顔」で「やさしく包み込んでくれた」。それから何でも相談できるようになったという◆神戸市内の小学校で起きた教師間の暴行・暴言問題で、弁護士による外部調査委員会が報告書を公表した。125も挙げられた事例を読みながら、ため息をつき、しばし目を閉じてしまう。これは読むのもつらい◆気になるのは、子どもたちの心だ。「友だちを大事に」と言うべき教師が教師を傷つけた。誰を信じたらいいの? と悩む子もいるだろう。あの高校生が救われたような包み込むやさしさが今、教室に欲しい◆有島武郎(たけお)の懐かしい童話に「一房の葡萄(ぶどう)」がある。いけないことをしてしまった子がいた。諭した教師は校内のブドウをもぎり、その子の膝に置く。明日も学校へ、と。ためらいながら翌日もその子が登校したのは「先生のやさしい目で見られたい」から◆揺れている子がいたらほほえみを。やさしさという一房を子らへ。2020・2・22

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