正平調

時計2020/02/23

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ローマが王制を廃して共和制となったころ、王になろうと企てる者はみな極刑に処すという法律ができた。ただし何をもって企てとするか、それは時の統治機関、元老院の意に任される◆「ローマの歴史」(中公文庫)に学んだおよそ2500年前の話だが、“法解釈の自由”を権力者が振りかざしたときに、そこで何が起こったかは書くまでもあるまい◆政府が法を支配すれば民衆に、いずれは国家に厄災がふりかかる。法が政治を支配する法治主義は、そうした教訓から生まれたものでなかったか。東京高検検事長の定年延長をめぐる政権の対応に批判が広がる◆ほぼ40年、定年延長の根拠にはならないとされてきた法の解釈を安倍首相があっさりと「なる」に変更した。するとどうだろう、変更はないと答えていた官僚が「言い間違いだった」って…そんな間違いある?◆言いつくろう法相答弁もふらふらとくれば、延長ありきのごり押しであることはだれの目にも明らかだろう。「権力を乱用するな」との決まり文句に加え、きょうは「ローマの歴史」からキケロのせりふを。「いつまでわれわれの忍耐を乱用するのか」◆内閣支持率の急落に「不信」の文字がすけて見える。国民の忍耐にいつまでももたれかかってはいけない。2020・2・23

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