正平調

時計2020/02/24

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小川直心君というすごい男の子がいたことを伝えたくて、今この小欄を書いている。まっ直ぐな心と書いてじきしんと読む。先日、12歳の短い生涯を閉じた◆栗色のくせ毛が似合うサッカー少年。モデル審査に合格し、ファッションショーに出たこともある。天性の明るさと優しさでみんなに愛された◆小2で交通事故にあい、生死の境をさまよった。臓器提供の決断を迫られ、「誰かの命に変わるなら」と母優里さんの心は傾いたが、集中治療室を取り囲み、いつものように笑い声を上げる友だちの輪の中にいたら声が聞こえた。「お母さん、僕はもっと生きたいよ」◆意識は回復せず、医師が下した診断は「脳死に近い状態」。だけど直心君がすごいのはここからだ。半年後に退院し3年の秋、明石市立中崎小に復学した。「お帰り!じきしん」。仲間と先生が笑顔で迎えた◆特製の車いすで、優里さんと二人三脚の日々が始まる。言葉はおろか目を開くこともなかったけれど、下校時には何十人もの友人が先を争って車いすを押すから、まるで大名行列のようだったね◆今日のお別れ会には400人が参加する。喪服は厳禁。直心君らしく、パーティーのようににぎやかに送る。タイトルはみんなで決めた。じきしん旅立ちの祭典。2020・2・24

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