正平調

時計2020/03/21

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東京の落語家は大看板になるとしばしば地名で呼ばれた。昭和の名人、8代目桂文楽さんの「黒門町(東京都台東区)の師匠」は有名だ◆桂米朝さんなら「武庫之荘の師匠」になるだろうか。1961年から亡くなるまで半世紀にわたって尼崎市武庫之荘に暮らした。ここで3人の子どもを育て、後の枝雀さんやざこばさんらを内弟子として仕込んだ◆あちこちに米朝さんにまつわるエピソードがある。落語のネタをぶつぶつつぶやきながら弟子たちは町を歩いた。稽古や宴会で一門はしばしば師匠宅を訪ねた。見事な花で道行く人を楽しませた庭の桜は目印だった◆独演会やテレビ、ラジオで多忙を極める中、1970年には地元自治会「武庫之荘文化会」の副会長を務めた。「米朝師匠がいてはったことは住民の誇り」と自治会長は話した◆昨年6月、自治会館の一角に記念コーナーができた。粋な高座姿の写真パネルとともに、湯飲みや扇子、人間国宝の認定書などが展示されている◆19日は没後5年の命日だった。弟子が勢ぞろいする落語会「米朝まつり」は新型コロナウイルスの影響で中止となった。「外面(そとづら)はええけど家から見たら裏側ばっかりや」と枝ぶりをぼやいていた庭の桜は、今年も薄紅のつぼみをほどきつつある。2020・3・21

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