正平調

時計2020/03/30

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2月下旬の小欄で紹介した小川直心(じきしん)君のその後を伝えたい。4年前に交通事故で頭を強く打ち、「脳死に近い状態」と診断されながら1498日を生きた小6の男の子だ◆話すことはおろか、動くこともできなかったけれど、母は「意識」があると信じた。人工呼吸器をつける切開手術で血圧がすっと上昇したからだ。「彼、痛みを感じてるよ」と医師は言った。母には何よりうれしい言葉だった◆3年生の秋、明石市立中崎小に復学し、卒業は目前だった。でも、突然の訃報に驚き悲しんだ学校は予定を変えなかった。じきしん君が卒業証書を受け取るため体育館の壇上に上れる仮設スロープを予定通り取り付けた◆“分身”のぬいぐるみを乗せた車いすを、同級生が押して壇上へ。「小川直心」。担任が名前を呼ぶと、6年生の42人全員が「はいっ」と元気に声を合わせた◆新型コロナウイルスの感染拡大でこの春、各地の卒業式が中止や縮小に追い込まれた。入学式もどうなることか。だが素晴らしい仲間たちや恩師との出会いと別れまで、ウイルスが邪魔をすることはできない◆じきしん君が入学予定だった中学校は写真入りの学生証を用意して待ってくれているそうだ。母の楽しみが一つ増えた。やっぱり春は、待ち遠しい。2020・3・30

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