正平調

時計2020/04/01

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中国文学者の高島俊男さんは昔、国鉄駅でのちょっとしたもめ事で鉄道公安官の詰め所に連行された。悪いことはしていないと訴えたものの、えらいけんまくで怒られたという。「悪いことをしない者が捕まるわけないだろう」◆むちゃくちゃな論理ではありながら捕まったが最後、覚えのない罪状を自白させられる人間の恐怖や絶望が分かった気がしたと、高島さんがエッセーで振り返っていた◆滋賀県の病院で患者の人工呼吸器を外して殺害したとして、看護助手だった西山美香さんが逮捕されたのは24歳のときである。懲役12年の刑に服して、いまは40歳になっている。きのう、再審の無罪判決が出た◆やってもいないのに捕まるわけないだろう-。自らはもちろん、家族に向けられたまなざしのどれほど痛く、つらかったことか。わたしは無実ですと、獄中からご両親につづった手紙は350通を超えるという◆父は裁判記録をかばんに詰めこんで、助けてくれる弁護士さんを探してまわったそうだ。のちに明らかになった不当な手法でかよわき市民を罪人と決めつけ、その人生を狂わせた司法権力の罪こそ裁かれていい◆「両親に喜びの涙を流させてあげられた」と西山さんは語った。悔し涙に暮れてきた長い長い歳月を思う。2020・4・1

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