正平調

時計2020/04/28

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福島県会津地方の郷土玩具に「赤べこ」がある。張り子の首振り牛で、頭をつつくとゆらゆら首を揺らして見飽きない。昔は子どもに持たせる天然痘よけのまじないでもあったらしい◆以前の本紙連載「おもちゃの四季」によると、天然痘を引き起こす疱瘡(ほうそう)神は赤色を好んだ。その赤で神をもてなして、病を軽くすませてもらえるよう願ったとか。同じ理由で、赤に塗られた懐かしの玩具は多い◆はやり病の広がりに何かしら人知を超えたものを感じ、神秘の力に頼りたくなるのは現代も変わらない。疫病封じのその妖怪の名を「アマビエ」という。新型コロナウイルスが広がるなかで存在感を増している◆江戸時代にいまの熊本県の海中から現れ、「病気がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」、そう語ったと伝えられる。人魚のような体にはうろこがあって、髪は長く、口はくちばしみたいにとがっているそう◆えも言われぬ容姿は確かに神秘的ではあるが、どちらかというとユーモラスでかわいらしい。いまでは神社で配られる護符に、塗り絵のデザインに、はたまた人形や和菓子にと、実にめざましい活躍ぶりである◆何かとイライラの沸点が下がりがちな昨今、眺めて頬が緩むなら、それだけでも現世に現れた意味は大きい。2020・4・28

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