正平調

時計2020/04/30

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昨春の神戸新聞文芸で、特選となった詩はこう始まる。〈枝に新芽が出ると/それは希望と/名づけるにふさわしい〉。作者は小野市の芝本政宣さん。ランドセルを鳴らして1年生が通る、と作品は続く。光景が目に浮かぶ◆春。若い芽が育ち、やがて青葉になっていく。なるほど心地よい季節は希望を語るのにぴったりだし、日本人の心情をくすぐる◆でも発想をちょっと変えて、1年の始まりを秋にしたらどうだろう。コロナウイルス禍で臨時休校が長引いているため、そんな声をよく見聞きする。大阪の高校生は「9月入学、始業」への署名活動を始めた◆秋入学が世界標準と、検討に乗り出す野党がある。大阪府や宮城県など各地の知事も動き始めた。さてどう思うかと問われた萩生田(はぎうだ)文科相は「一つの選択肢」とこれまでより踏み込んだ。波がかなりうねってきた◆ただし簡単ではない。就職活動を思えば経済界の理解が要る。役所の年度も4月から。あれやこれやの難題で、秋入学を目指した東大は実施を先送りした。言うは易(やす)しというわけだが、みなさんの受け止めは◆国文学者岩松空一(ただかつ)さんは、秋は「あきる」から生まれたとみる。穀物が実ったことを言い表す古語という。希望ではなく、成熟の季節。これもいいなあ。2020・4・30

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