正平調

時計2020/05/06

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〈忘却は近い。私たちは何を求めて手摺(てすり)を跨(また)ぎ越すのか?〉。香港の詩人、鍾國強さんの詩「忘れるな」の冒頭だ。昨年6月、香港では逃亡犯条例改正に対する抗議の飛び降り自殺が相次いだ◆丹波篠山市の細見和之さんらがつくる詩誌「びーぐる」は今春、「抵抗する抒情(じょじょう)詩」という特集を組んだ。日本や欧米から広く詩や論考が寄せられた中、民主化闘争の渦中にある香港の詩人たちの言葉は、特に切実に響く◆インタビューで鍾さんは言う。「詩とは抵抗なのだ。詩には時代を反映し、未来を信ずる心を分かち合い、人々を励ます力がある」。香港では今、デモを行う人々に寄り添った詩が多く書かれているそうだ◆香港警察は先月、政府への抗議デモや集会に参加した民主派の重鎮ら15人を一斉逮捕した。世界の目が新型コロナウイルスへ向いているのに乗じ、抗議活動の鎮圧を図ったとも見える◆何も香港に限った話ではない。コロナ危機に絡め、改憲議論を進めようという動きは日本にもある◆鍾さんは続けて言う。「香港の若者が直面している問題は、その前の世代の油断と怠慢に端を発している。現在の日本はあの頃の香港に似ている。どうか安穏とした眠りから醒(さ)めてください」。心からなる忠告を深く胸に刻みたい。2020・5・6

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