正平調

時計2020/05/10

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主人公の少女は小学校5年生、弟は2年生。お母さんがパートで暮らしを支える。中島信子さんが児童文学作品「八月のひかり」で描く一家である◆ラジオ番組で執筆の動機を話していた。生活の苦しい人へ食材を提供するグループで「強烈な言葉」を聞いたからという。「見えない貧困ではなく、日本は見せない貧困です」。子どもへのいじめを気にして「助けて」と言わない親がいる、と◆少女の目を通して訴えたのは、そんな現代の貧困である。働きずくめのお母さんに代わって台所に立ち、弟の食事も作る。味付けは工夫するが、いつも安いキャベツばかり。けなげにふるまう少女の姿に心が痛む◆古い映画「にあんちゃん」を思い出す。炭鉱町の貧しいきょうだいの実話である。主人公が「いつになったら幸福が訪れるのでしょう」とつぶやいた時代から60年以上というのに、格差の悲しい溝が消えない◆さらにこのコロナウイルス禍だ。お母さんの仕事が不安定になり、暮らしがさらに厳しい母子家庭も少なくないだろう。街の実情をよりつかんでいる市町が、耐えている家族にできるだけの支援をしてもらいたい◆きょうは「母の日」だ。あの少女なら、精いっぱいの笑顔を贈るだろう。小欄はねぎらいの言葉をあなたへ。2020・5・10

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