正平調

時計2020/05/12

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東京や神戸など大都市の通行人には「自粛カード」が手渡された。「そんなことまでしてるの?」と早とちりされぬよう。現代でなく、1940(昭和15)年のことと歴史の本にある◆満州事変に始まった戦争の出口が見えず時局ますます厳しい折、国民運動としてぜいたく廃止が唱えられた。カードには派手な服装を控えることなどが記され、同じころに「ぜいたくは敵だ」の標語が登場する◆さっきは早とちりと書いたが、いままた過剰な同調圧力がコロナ禍での暗いニュースとなっている。「自粛警察」と呼ばれ、開いた店を閉めるように嫌がらせで迫ったり、ネット上で告発したりする行為をいう◆家族を感染させたくない。早く日常に戻りたい。自分は我慢しているのに-。そんな正義感からだとしても、互いに目を光らせて舌打ちをし、あいつは“非国民”だと闇にまぎれて脅すような社会は健全でない◆他者への視線がつい厳しくなる心の裏に不安が潜む。この忍耐はいつ、どうなれば出口が見えるのか。頼みの支援金はいつ手元に届くのか。もしかして自粛した正直者がバカを見るのでないか。疑心が生まれる◆しっかりしろ。足りないぞ。鋭く光る目は隣人でなく、政治に。その尻をたたくのに遠慮や自粛はいらない。2020・5・12

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