正平調

時計2020/05/29

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旅の達人、松尾芭蕉が箱根越えに際して詠んでいる。〈霧しぐれ富士を見ぬ日ぞ面白き〉。名峰富士は霧に隠れて拝めない。それならば、心に思い描いて楽しむのもおつではないか-◆山もいい、海もいいと気の早い人は夏の行楽にあれこれ胸を躍らす。例年であればそんな時期のはずが、今年はまるで勝手が違う。第2のコロナ波がいつ来るや知れず、いまは1週間先の計画さえままならない◆夏の富士山閉鎖が決まった。神戸の須磨や舞子をはじめ海水浴場の開設を見送ったり、お祭りなど夏の風物詩をとりやめたりするところも多い。だれもが心眼で旅景色を味わえるわけでなし、ため息は尽きない◆きのうは姫路城の屋外エリアの公開が再開されるなど、明るいニュースも増えてきている。お客さんにはぜひ来てもらいたいが“密”も困る…と、どこもおもてなしの作法に頭を悩ましながら迎える夏となろう◆さすればどうすればいい。「山高きが故に貴からず」。人混みを嫌った谷崎潤一郎が旅の極意をつづっている。「凡山凡水の方が却(かえ)って山らしい趣があり、俗塵(ぞくじん)にまみれた心や腸を洗ってくれるかも知れない」◆いつでも行けると後回しにしていた近場巡りの機会でもある。隠れた「名山名水」をゆっくり探すとしよう。2020・5・29

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