正平調

時計2020/06/16

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「ゆいまーる」。沖縄の言葉で助け合いの意味だ。今月4日、82歳で亡くなった洋菓子大手、エーデルワイスの創業者、比屋根(ひやね)毅さんは故郷に伝わるこの言葉の精神を殊の外、大切にしていた◆15歳で石垣島を出て業界に飛び込んだ。すさまじい修業ぶりは語り草だ。三食お菓子だけの生活で休日は各地の名人を訪ねる。コンテストで受賞を重ね、経営者として名をなしても白衣を着て仕事と向き合った◆頼れるアニキの下に全国から若者が集まった。助け合いながらレベルアップし力がつけば独立した。有名な「比屋根組」である。「技術は1人のものではない。受け継がれて成長していく」◆経営危機やブランドの撤退などまさに山あり谷あり。苦境を乗り越えられたのも少年時代に空手で鍛えた胆力と揺るがぬ職人魂があったからだ◆欧州に行くたびに古い製菓、製パン器具を集め、2009年に5千点をそろえたミュージアムを尼崎市の本社工場の一角に設けた。18年暮れには神戸で企画展を開いている◆体調を崩しても、心をこめてあいさつ文をしたためた。「耳を澄ますと当時の職人たちの声が聞こえる。今も昔も良い物を作りたいという職人の思いは変わらない」。天国でも仲間と手を携えお菓子を作っていることだろう。2020・6・16

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