正平調

時計2020/06/17

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数学の世界で「証明した」と言う場合は、そこに一片の疑いもあってはならないそうだ。数学者の厳格さ、うたぐり深さを表した小話がある。車窓から1匹の黒い羊を見た人が言った。「へえ、このあたりの羊は黒いんだね」◆別の1人が首を振った。「いや、ここの羊の中には黒いのもいるということだよ」。それを聞いていた数学者が言った。「あの羊の、少なくとも一方の面は黒いのさ」◆国民の安全に関わる防衛政策にも、数学者の目は欠かせない。「多分」は禁句である。ミサイルを発射したときに落下するブースターが周辺の民家に害を及ぼさないことを証明せよ-。答えは出なかったようだ◆政府が秋田県と山口県に地上配備しようとしてきた迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」である。ブースター落下時の安全確保にはかなりの費用と時間がかかるとして、急きょ計画の停止が表明された◆その判断は当然としても、となればこれまでの政府の説明には疑問符がつく。「安全」と記した看板を表向きには見せながら、その裏で「ほんとかな」と首をかしげていたことになる。防衛が聞いてあきれよう◆もっと、うたぐり深くなりなさい。はからずもまた、政府から教訓をいただいた。情けないやら悲しいやら。2020・6・17

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