正平調

時計2020/06/28

  • 印刷

「せっかく」にまつわる小さな物語を二つ。まず夕刊で目にとまった話から◆タレントのサヘル・ローズさんはイランに生まれ、8歳のときに日本へ来た。戦争で孤児となり、養母に引き取られた経験を持つ。コロナ禍で仕事の減った彼女へ、その母が言う。「せっかくできた時間を前向きに、有効に使おう」◆母国の革命や戦争などを乗り越えてきた母の言葉は心にしみた。救われた。言うように、これまでできなかったことをこの機会にすればいい。彼女はそう受け止める◆昨春のこと。陸上長距離の名選手を育てた小出義雄さんが亡くなった。愛(まな)弟子の一人で五輪メダリスト、有森裕子さんが思い出を語る。足のけがで走れなくなり、目標を失って落ち込むと、恩師は「どんなことが起きても、せっかく、って思え」と言った◆「意味のないものはない。なんでけがなの、って思うな」。マイナスをマイナスとしない。そんな話を聞き、有森さんは頭を切り替える。「せっかく神様が休めって言ってくれてるんだから」。足の手術をし、そしてマラソンで再びメダルを手にする◆全国高校総体、全国中学校体育大会に続き、国体と全国障害者スポーツ大会も延期になった。今日はがっかりする選手たちへささやかな励ましをこめて。2020・6・28

正平調の最新
もっと見る

天気(8月9日)

  • 32℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ