正平調

時計2020/07/02

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陰湿な響きなので、あまり使いたくない言葉に「見せしめ」がある。辞書風に書けば、二度としないよう、こらしめること◆但馬出身の言語学者田中克彦さんが、戦時中の体験を本紙に寄せていた。かつて小欄でも引用したが、もう一度触れよう。耐寒訓練の前、子どもたちの弁当箱が調べられたという話だ◆入れていいのは梅干し1個。ところが何を思ったか、お母さんは二切れのちくわも入れていた。見つけた担任は、ちくわを雪の上に投げ捨てた。「違反者に対する見せしめの罰」。田中さんはそう振り返っていた◆この人も上告審で「見せしめ」を口にした。ふるさと納税の募集が行き過ぎていたことを理由に、国の新制度から外された泉佐野市の市長である。最高裁で逆転勝訴した。5人の裁判官全員が一致した結論だ◆この間、紙面でいきさつを読みながらよく思った。霞が関の体温が異様に上がっているな、と。いわば梅干し1個と決めたのに、あれこれとおかずを入れたがる。盾突きたいのか、と言いたいようだ。最後はもはや、問答無用という雰囲気が伝わってきた◆国と地方は対等。ここが地方分権の大事なところなのに、霞が関はちょっと忘れてませんか。そんな見せしめ…失礼、おきゅうの判決かと受け止める。2020・7・2

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