正平調

時計2020/08/16

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俳優舘(たち)ひろしさんが30歳を回ったころの話である。こんな言い回しで怒った人がいた。「ひろし、最近、芝居がうまいな」「それはよくない」と◆そこそこうまい俳優はたくさんいるぞ。彼らと競い合ってどうする。もっと人生をかけた芝居をしろよ。そう受け止めたと、僚紙デイリースポーツで語っていた◆舘さんへの一言が意味するもの。さらに深いところを尋ねたくても、もうできない。渋い声でたしなめたその人、渡哲也さんが亡くなった。78歳。アクション映画や「大都会」「西部警察」などのドラマを思い起こせば、なるほど小手先の世界とは縁遠い◆俳優という立場を離れても同じだった。「西部警察」のロケで見物客を巻き込む事故が起きたとき、翌日、石原プロ社長として制作中止を即断した。問われて口にした理由が「責任とけじめ」。この人らしい◆何で読んだか、東京での学生時代、故郷・淡路の両親から便りが届いたときの話も印象深い。部屋に仲間がいると、場を離れて居住まいを正し、読んだそうだ。伸びた背筋、わずかな恥じらい。ずっと変わらない◆神戸新聞文芸の川柳部門。「水」がお題になった入選作に「水割りの渡哲也に溺れそう」(永末節子)があった。いえいえ、溺れた男性もたくさん。2020・8・16

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