正平調

時計2020/09/03

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あのストレートにはね、と往年の剛速球投手山口高志さんがラジオ番組で打ち明けていた。阪急ブレーブス時代の思い出だ◆身長169センチ。プロでは小柄な体を目いっぱい使って投げた。最速160キロと言う人もいる。ミット音が響くとスタンドがどよめいた。あのどよめきを聞きたくてストレートを投げ続けた。打たれないかという怖さを消すためにも要るのが、強いストレートだったとも◆阪神タイガースの藤川球児投手が、今季限りでの現役引退を明らかにした。会見の内容を読みながら、山口さんの話を思い出す。紙面にもあったが、伸び悩む藤川投手を指導したのが、当時2軍コーチの山口さん◆軸足を曲げず、上からたたくように投げろと教えた。高さにしてほんの1センチの違いでも、速球が力を増していくのだからおもしろい。山口さんの全盛期と同様、直球と分かっていても打てない。ミットの音にスタンドはどよめいた。弱気の虫は消えた◆最低五つの球種がないとプロでは生きられないという。しかし投手の命はストレートと、山口-藤川の系譜に教わる。うなりを上げる剛球がないとプロ野球はつまらない◆会見で言った。甲子園のマウンドは「母親のよう」と。その子、球児。渾身(こんしん)のストレートをそこでもう1球。2020・9・3

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