正平調

時計2020/10/27

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「あなたはたしか…」と、知らない人から声をかけられることが増えたそうだ。原爆投下後の広島である。自らも被爆した作家、原民喜は書いた。「広島では誰かが絶えず、今でも人を捜し出そうとしている」(「廃墟から」)◆身内はもとより、あの日から消息の知れない知人、隣人の面影を行き交う人に求めたのだろう。同じようにヒロシマ、ナガサキが75年前から今もずっとさがし求めているもの-「核なき世界」がそうに違いない◆被爆地の運動と人類の良心がようやくにしてたどりついた核廃絶への扉といえる。つくる、持つ、使う、またはそれで脅す。そのすべてを認めないとする核兵器禁止条約が来年1月22日に発効することとなった◆批准した国や地域が50に達した。条約に反対している米国からは批准を取り下げよとの圧力もあったというが、屈せずに押し通した姿勢には、すなおに敬意を表したい◆被爆国、日本は真っ先に批准していいはずなのに、そうしない。核廃絶への「世界の橋渡し役」とかっこいいことを言うが、行動が伴わないのなら本気度が疑われよう◆〈昭和二十年八月五日 広島の小学生太郎の食べた夕飯は何?〉(藤原龍一郎)。核兵器がなくならぬ限り、私たちはいつまでも悲劇の前夜にいる。2020・10・27

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