正平調

時計2020/11/04

  • 印刷

小磯良平画伯の描いた油彩の肖像画が大阪市立大に所蔵されている。1959年制作の「恒藤恭(つねとうきょう)肖像」。書を読む学者の理知や穏やかさがにじむ。恒藤氏が市大学長を退任する際に盟友の民法学者末川博氏らが発起人となって教え子らから贈られた◆恒藤氏は令名高い法哲学者であり、旧制一高時代の親友芥川龍之介からその才能が激賞された文人だ。京大教授だった33年、大学の自治を揺るがした滝川事件が起きる◆滝川幸辰(ゆきとき)教授の著書「刑法読本」を問題視した文部省が休職処分を発令した。多くの教官が抗議の辞表を出した。恒藤氏は論考「死して生きる途(みち)」を言論誌に発表した◆「外部からの不法なる圧迫により大学の本質が否定されようとするとき、大学は進んで死することによって自己の真の生命に生きる途をえらぶ外はない」◆京大を辞した恒藤氏と末川氏を当時の大阪商科大(現大阪市大)は政府の圧力をはねのけて採用する。その後、恒藤氏は学長を務め、末川氏は立命館大で総長となった◆末川氏は日本学術会議の第1回総会で決意表明を起草する。「平和的復興と人類の福祉増進のために貢献せんことを誓う」。それから70年。同会議は菅首相による任命拒否問題に揺れる。2人の学者ならどう行動するだろうか。2020・11・4

正平調の最新
もっと見る

天気(1月26日)

  • 15℃
  • 7℃
  • 80%

  • 15℃
  • 1℃
  • 80%

  • 16℃
  • 6℃
  • 70%

  • 15℃
  • 5℃
  • 80%

お知らせ