正平調

時計2020/11/07

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福沢諭吉は米国に渡ったとき、「初代大統領ワシントンの子孫はどうなっているのか」と尋ねた。返ってきた答えは「よく知らない」と要領を得ない。幕末、1860年のことである◆諭吉は驚いたらしい。米国が共和制で大統領が4年交代であることはもちろん知っているが、ワシントンといえば源頼朝や徳川家康のような大人物ではないか。末裔(まつえい)のことに無関心とは、どういうことかしらと◆血筋や身分でなく、有権者の一票で決まる。それが本来の民主政治だとの考えが日本に広まるのはまだまだ後のこと。諭吉渡米と同じ年には大統領選があり、奴隷解放の父、共和党のリンカーンが当選している◆一代で富を築いたトランプ現大統領と庶民派バイデン氏の争いはもつれにもつれる。長引いた利点を挙げるとすれば、この間に新聞、テレビが報じた州の名前や位置、米国史をけっこう学べたことかもしれない◆リンカーンが就任して間もなく、奴隷制をめぐって南北戦争が始まった。アメリカ分裂という最大の危機を前にし、新大統領は呼びかけたという。「われわれは友である。われわれは敵であってはなりません」◆トランプの赤とバイデンの青に色分けされた合衆国の地図を見る。勝者と敗者は、「友」に何を語るだろう。2020・11・7

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