正平調

時計2020/11/14

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デンマークの哲学者、キルケゴールはコーヒーを愛し、カップを50個以上もそろえていた。秘書がその日に使うカップを決めるのだが、なぜそれを選んだのか、必ず説明を求めたという◆ドイツの作曲家、ベートーベンもコーヒー好きで知られた。毎日変わらぬ風味を楽しむため「一杯につき、豆は60粒」と決め、一粒ずつ数えて入れることもあったとか。気むずかしそうなあの肖像画を思い出す◆コーヒーくらい気楽に飲みたい気もするが、違いが分かるようになればなるほど「わが至高の一杯」にひかれるのかもしれない。豆は、器は、入れ方は…などこだわりもいろいろ。それだけ楽しみの領域は広い◆本紙神戸版の連載「薫る街」を読んだ。ミナト神戸とコーヒーの、深くてコクのある歴史を記事でたどれば、かぐわしい香りが鼻先に漂ってくるよう。コーヒーほど嗅覚を心地よく刺激する飲み物はそうはない◆NHK連続テレビ小説「エール」で戦中の喫茶店の場面があった。豆が手に入らず、代用の大豆でコーヒーを入れたマスターが言う。「早く戦争が終わっておいしいコーヒーが入れたい。それだけが僕の望み」◆別段のこだわりはなくとも、いま口にしたコーヒーがおいしいと思える。そのひとときのありがたきかな。2020・11・14

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