正平調

時計2020/11/19

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直木賞作家の山本兼一さんは、代表作の一つ「火天(かてん)の城」を7年がかりで書き上げた。物語の主人公は織田信長の命で安土城築城に挑む宮大工だ◆実在の人物だが資料がない。文献を読み、信長のかかわった城跡を巡り、大工や建築家と会い、安土城の復元に携わる建築史家にも教えを請うた。その日々は「日本の深層」への旅だったと振り返っている◆宮大工、畳製作、左官、建造物彩色(さいしき)など日本の技術17件が、ユネスコ無形文化遺産に登録される見通しとなった。山本さんの言葉を借りれば「日本の深層」に光が当たった。匠(たくみ)の技が認められるのはうれしい◆「真っ黒け、ほこりまみれで修理している若い見習いの励みになる」。きのうの紙面にあった宮大工の一言が印象深い。それぞれの現場では、職人の高齢化が進んでいる。登録が若い人たちの誇りになったらいい◆世界で利用される旅行サイト「トリップアドバイザー」が、日本でぜひ見学したい博物館などのランキングを発表している。2018年版の2位に選ばれたのは、神戸の竹中大工道具館である。コロナ禍が起きる前だが、訪れる外国人は急増していた◆匠の技は外国人には分からないと思ってはいけない。堅固で繊細、華麗。「日本の深層」は心をとらえている。2020・11・19

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