正平調

時計2020/11/20

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姫路市網干区の不徹寺は創建以来、尼僧が守り続ける国内唯一の寺という。開いたのは貞閑尼(ていかんに)。〈雪の朝二の字二の字の下駄の跡〉の句で知られる田ステ女の法名だ◆その尼寺が今、兵庫県立歴史博物館に出向いてきている。特別展「女たちのひょうご」(23日まで)の一角には、貞閑尼にまつわる史料のほか、仏堂を飾る戸帳や打敷(うちしき)、幡(ばん)が並び、心安らぐ◆これらの荘厳具は、寺に奉納された着物で作ることが多かったらしい。その昔、因習に縛られた女性たちは身近な品を供えることで、仏との結縁(けちえん)を願ったのだろう◆「尼寺は心のごみを捨てる場所」と現住職の松山照紀(しょうき)さんは言う。現代を生きる私たちとて、浮世のしがらみは断ちがたい。かくいう松山さん自身も離婚や介護を経て禅と出合った経験から、悩める女性に寄り添う◆いわんや世はコロナ禍にある。外出自粛による家事負担や家庭内暴力、パート解雇など、しわ寄せはやはり女性に及ぶ。心のごみがきれいさっぱり片づく日はいつ来るのか◆「不謹慎ながら」と断りつつ、松山さんは予見する。「図らずもコロナは、世界に共通の問題を突き付けた。ここから新たな価値観が生まれ、傑物が現れるはず」。この大胆でしなやかな発想もまた女性ならではといえようか。2020・11・20

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