正平調

時計2020/11/29

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ずっと気になっていた裁判がある。前橋市で起きた死亡事故をめぐる控訴審だ。運転していた被告は当時85歳だった。薬の副作用で意識障害に陥ったとして、一審は無罪。ところが-◆控訴審から就いた被告の弁護人は、異例の「逆転有罪」を求めた。「有罪を認める。申し訳ない」と被告が言い、家族側も同じ考えだったからだ。そしてつい先日の高裁判決は、一審判決を破棄し、禁錮3年◆伝える記事を読みながら、思わずフーと息をついてしまう。事故を起こす前、被告の家族は、運転させないための方法を話し合っていたという。記事の向こう側に、かかわった人たちの苦悩や悔いがいっぱいある◆本紙イイミミなどで、運転免許証の返納が話題になる。区切りをつける。いや暮らしに欠かせない。意見はさまざまだ。2年前の神戸新聞文芸で特選になった詩にも登場した。その一節、「息をひそめた生き方を/求められているような」が印象深い◆数日前の地域版で見かけた記事。高齢者を家から店まで送迎する事業をコープこうべが始めたそうだ。農村部であれ住宅地であれ、いや応なく高齢化が進む。目立ってきた買い物難民への対策は待ったなしである◆車がなくとも息をひそめなくていい社会。そこへ一歩、近づこう。2020・11・29

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