正平調

時計2020/11/30

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このコラムでも何度か紹介した「じきしん」こと小川直心君の物語が本になる。タイトルは「じきしん いのちの物語」(神戸新聞総合出版センター)。今春、本紙明石版などで連載した21本に加筆したものだ。12月には書店に並ぶという◆小学2年生のとき、交通事故にあったじきしん君は「脳死に近い状態」と診断された。動くことも話すこともできなかったけれど、母の優里さんと二人三脚で1500日も生き、周囲に「じきしんパワー」を振りまいた◆彼の生きた証しともいえる本の表紙をどうするか。編集者は悩みに悩んだ。候補は2枚の写真。おどけた「変顔」と、大きな瞳でこちらをのぞき込んでくるような顔。いずれも事故前の写真で、どちらもじきしん君の強さと人なつっこさが伝わってきて捨てがたい◆迷ったあげく、社内アンケートもしたが結果は拮抗(きっこう)した。選ばれたのはどちら? 本を手にとって確かめてほしい◆優里さんが、あとがきに書いている。じきしん君がこの世からいなくなったある日、ふと気が付いた。私と彼は今、遠距離恋愛をしているのだと。会えなくても、愛し愛されている自信がある。だから変わらず幸せだと◆亡くなってなお、光を放ち続ける命がある。その尊さに生きる力をもらう。2020・11・30

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