正平調

時計2021/01/16

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芦屋生まれのエッセイストで、イタリア文学者の須賀敦子さんが戦中通った女学校に外国出身のシスターがいた。勤労動員で授業のない生徒たちはひそかにシスターの教室に集まり、英語を学んだという。“秘密の授業”である◆須賀さんが「寄宿学校」という随筆に書いている。「授業のあったころはあんなに嫌いだった勉強が…自分にとってかけがえのない大切なものだったように思えた」。教室を訪ねるのが楽しみでならなかったと◆逆境にあって学ぶ喜びを知る-という意味においてはコロナ禍の学校生活でさまざまな制約と不便を強いられた生徒たちの心情も、かつての須賀さんに似ているのかもしれない。ことに受験生は大変だったろう◆受験の季節もいよいよ本番、きょうからは大学入学共通テストが始まる。不安もあろうが、大丈夫。感染防止という難問に向き合いながらの君の奮闘努力を、受験の神様が見ておらぬはずはない。ねえ、神サマ◆須賀さんが、秘密の授業で習った英詩がある。「灰色の暗い雲がいま空をおおっているけれど、ふさいではいけない、雲は黄金のひかりにふちどられている。雲のむこうには太陽が」。そんな内容だったそうだ◆冬の雲にいまは隠れて、春の日差しが待っている。ガンバッテ。2021・1・16

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