正平調

時計2021/01/26

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古来より言葉には霊力が宿ると信じられた。罪をはらいたまえ。けがれをはらいたまえ。唱えれば、きっとその通りになる。それが呪文であったり、神にささげる祝詞であったりした◆先代の安倍首相から今の菅首相に引き継がれて繰り返されるその言葉も、次第に呪文の様相を帯びてきている。「人類がウイルスに打ち勝った証しとして」…東京五輪を開催したい、というあの言い回しである◆字面は勇壮でも、コロナ対応で逆風にさらされる総理の口から棒読みで発せられると、むしろ不安が増す。IOCのバッハ会長も「プランB(代替案)はない」と中止や再延期を否定した。これまた祈りに近い◆たとえワクチン接種が始まったとしても、わずか半年後に世界のアスリートが一堂に集う「Tokyo」の姿は想像しづらい。五輪会場で活動する医療従事者の確保も必要と聞けば「ムリかな」と心がつぶやく◆それでも開催に向けて日夜汗する関係者がいる。何より一生に一度であろう自国五輪の舞台に立つため、ほかの多くを犠牲にしてきた選手の気持ちを思えば「どうにかしてでも」と心のてんびんはそちらに傾く◆なるほど、その手があったか-と膝を打つプランは出てこぬものか。決断が迫る。祈りのときはもう過ぎた。2021・1・26

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