正平調

時計2021/02/02

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「資本論」を著した知の巨人、マルクスの研究で脚光を浴びる若き経済思想家、斎藤幸平さんを大阪市大の研究室に訪ねた。目を引いたのは書棚に並ぶ全集だ◆「MEGA(メガ)」と呼ばれ、マルクスの草稿や書簡、ノート、メモ、新聞記事などを網羅する。国際プロジェクトとして刊行中で最終的には百巻を超すというから、驚きだ◆斉藤さんが悪筆のノートを読み解くと晩年のマルクスがエコロジーに傾倒していたことが見えてきた。土壌問題や森林の過剰伐採、石炭の過剰採掘に関心を寄せ、思索のテーマは資本と環境の関係に及んでいた◆「資本論は現代の環境危機に立ち向かう武器になる」。その思想に新たな光を当てた、著書「人新世(ひとしんせい)の『資本論』」は際限ない成長を求める資本主義の矛盾に切り込む気概にあふれ、ベストセラーになっている◆人間活動が地球上を覆い尽くす現代は地質学で「人新世」と呼ばれる。気候変動が引き起こす山火事や氷河の融解、集中豪雨、巨大台風などは年々深刻になる。未知のウイルスが人間に触れ、変異して広がるパンデミック(世界的大流行)も同じ構図だ◆斎藤さんに刺激を受け、書庫から資本論を取り出す。19世紀の労働者の窮状や衛生環境の劣悪さの描写が、時を超えてリアルに迫る。2021・2・2

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