正平調

時計2021/02/06

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本能寺の変を扱った小説の一つに藤沢周平さんの「逆軍の旗」がある。文庫本のあとがきに作家は寄せた。明智光秀はもっとも興味のひかれる戦国武将だが、小説を書き終えてみて「かえって光秀という人物の謎が深まった」と◆光秀が主君である織田信長を葬ったその事変は、謎の多さでは坂本龍馬の暗殺などと並ぶ一級の日本史ミステリーだろう。NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」ではどう描かれるのか、物語のクライマックスが迫る◆前週の放送で、光秀は丹波を攻略した。ゆかりの土地あげて、首を長くして待った場面である。描写はあっさりとして期待ほどでなかったようだが、本紙丹波版によれば落胆だけでなく満足の声も聞かれたとか◆知るほどに謎だと、藤沢さんがうなったように、新たに出てきた学説がまた歴史好きをざわつかせている。本能寺の変で光秀はなんと現場におらず、8キロ離れた鳥羽に控えていたとの話が古文書にあったという◆そうであれば、なぜだろう。光秀には一世一代の大勝負だったはず…いや、だからこそか…などあれこれ考えをめぐらせてもすべては推測で、確実なことは分からない◆決して明かされはせぬ歴史の全貌というものに「畏怖(いふ)を感じないでいられない」。藤沢さんの言葉である。2021・2・6

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