正平調

時計2021/02/12

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数学者で作家の藤原正彦さんが館長を務める姫路文学館は毎年、中学生以上を対象にエッセーコンクールを開いている。読むことと書くことは同じくらい大切だ、という考えによるものらしい◆6回目となる今年の表彰式は、コロナ禍のため、初めてオンラインでの開催となった。文系ぞろいの学芸員が設定に手間取る一幕もあったが、それもまた受賞者には良い思い出だろう◆入賞作を読み、県立姫路東高校3年の竹内彩花さんの文章が心に残った。ずっと自分が嫌いだった彩花さんが、ある作家と出会い、生まれ変わった体験をつづる◆その作家の講演会に出向き、悩みを打ち明けた彩花さんに、彼はこう言ったそうだ。「自分を好きでいられないなら、自分のことを好きでいてくれる人を愛しなさい」。それからは自分を少し、好きになれたという◆藤原館長は講評の中で、受賞者らに語り掛けた。「挫折は恥ではない。でも挫折の前と後で、同じではいけない。今のコロナ禍にも自分自身を見つめ、より強くなってください」◆表彰式の後、彩花さんに「ある作家」の名を尋ねると「いつか編集者になって再会するのが夢。それまで秘密です」とのこと。苦境の中で自らと向き合い、未来へ進みゆく若者たちに、幸多かれと祈る。2021・2・12

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