正平調

時計2021/02/19

  • 印刷

五輪の前景気はどうだろう。東京でタクシー運転手に尋ねると、「さあね」。そっけない答えである。「わしがよんだわけじゃないからね」。1964(昭和39)年の小田実さんの文章にある(講談社編「東京オリンピック」)◆「世紀の祭典だよ」とお祭り気分をあおられても波にのれず、逆にしらける人だってあろう。今は熱気もなく、新型コロナに加えてこの醜態である。「五輪? さあね」。そっぽを向かれても、文句は言えない◆結局は密室人事じゃないか-との批判が消えないなかで、東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子五輪相が推挙され、承諾した。力量を疑うわけではないけれど、もやもやとした気持ちは残る◆政府と東京都は「五輪はやり遂げる」と口をそろえながら、コロナ対応では不毛なにらみ合いを演じてきた。折も折、与党議員の「自粛破り」もやまない。「だれが五輪をよんだのさ」とつい毒づきたくもなる◆橋本さんは東京大会のあった64年10月の生まれで、名は「聖火」にちなむそうだ。はかなげに揺れる“五輪の火”を5カ月後の東京にともせるかどうか。まずは人の心に“共感の火”をともすことが必須だろう◆火には新鮮な空気も欠かせない。思いきり吹き込んでもらおう。2021・2・19

正平調の最新
もっと見る

天気(4月24日)

  • 21℃
  • 15℃
  • 10%

  • 24℃
  • 9℃
  • 10%

  • 23℃
  • 14℃
  • 10%

  • 24℃
  • 13℃
  • 10%

お知らせ