正平調

時計2021/02/20

  • 印刷

娘の命を奪い、闇に消えた誘拐犯を追うべく、父親はひとり、ある行動を起こす。頼るのは、耳が記憶している脅迫電話の声のみ。父はしかし言う。「同じ声を聞けばわかる」。横山秀夫さんの小説「64(ロクヨン)」である◆言葉にウソはあっても声までは偽れない。「これはあなたの声でしょう」と突きつけられれば、観念するほかない。くだんの総務省幹部もあっけなく“落ちた”らしい◆放送関連会社に勤める菅首相の長男らから接待を受けていた問題である。その席で総務省と利害のかかわる衛星放送の話はしなかったと幹部は説明してきたが、週刊文春が音声データを暴露し、追いつめられた◆「それは確かにわたしの声だが、そういう会話は記憶にない」。われながら苦しい言い逃れだと、そのエリート官僚もわかっていたに違いない。一夜明けて、いかにも渋々と「発言はあったのだろう」と認めた◆ウソはこれ一つでござります、という人の話はウソかホントか。ここぞのところで「記憶をなくす」政治家に官僚。毎度のことながら、よく言う。当座をしのげばそのうち、世間も忘れると思っているのだろう◆まさか。国民の記憶力をなめてはいけない。だれがどんなウソを言ったのか、耳は忘れない。絶対忘れまい。2021・2・20

正平調の最新
もっと見る

天気(4月17日)

  • 17℃
  • ---℃
  • 80%

  • 18℃
  • ---℃
  • 80%

  • 17℃
  • ---℃
  • 90%

  • 16℃
  • ---℃
  • 90%

お知らせ