正平調

時計2021/03/16

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〈ゆうびんですよ/ゆうびんですよ/たのしそにして/朝ねの家へ/ひなたのゆうびん/くばられた〉。まど・みちおさんの詩「お日さまゆうびん」の一節だ。こんな郵便が届いたなら、その1日は幸せだろう◆この詩に名前をもらった古書店が姫路城の近くにある。「おひさまゆうびん舎」は5坪余りの小さな店ながら、絵本や児童書の品ぞろえはピカイチ。学校の先生や親子連れ、本の好きな人々が集う◆子どもたちに絵本の読み聞かせ活動をしていた窪田泰子さんが店を始めたのは2011年3月。程なく東日本大震災が起き、自粛ムードで街から人が消えた。こぎ出したばかりの小舟は、いきなり嵐に見舞われてしまう◆お客の来ない店で一人、窪田さんは考えた。「日の当たっているところに届いた日なたの郵便は気づかないかもしれない。だけど陰ったときにそこにある。そんな本を手渡していけたなら」◆10年を迎えたこの春もまた、世はコロナ禍という日陰にある。こんな時こそ優しい物語が、心励ます言葉が、人間には要る◆本屋さんだけでなく、どんな仕事の人だって、子どもにだって、ふさいでいる誰かに語り掛けることはできるはず。私たちも温かな贈り物のような「ひなたのしんぶん」を手渡していけたなら。2021・3・16

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