正平調

時計2021/04/04

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3月中旬の小欄で「矢野君」のことを書いた。架空の野球部員だ。全国高校演劇大会で最優秀になった兵庫県立東播磨高校演劇部の作品「アルプススタンドのはしの方」に出てくる◆レギュラーになったことがない。けれどもくさらず、誰よりも練習する。代打に立てば、送りバントをきちんと決める。そんな「矢野君」をセンバツで探そう、と書いた◆何人か目にとまった。その一人が中京大中京の櫛田選手である。入学後初めての公式戦だったという背番号15は、晴れ舞台でランニング本塁打を放った。どんな選手なのだろう。地元中日新聞を読んでみると◆165センチ、65キロ。試合に出場できたら結果を出そうと素振りを欠かさなかった。昨冬、ランナーコーチと選手のどちらを選ぶと問われ、「選手としてやります」と答えている。「この子を信じてやりたいと思わせてくれた」。監督はそう受け止めたそうだ◆イソップのお話を思い出す。「畑に隠したものがある」と言い残して父が亡くなる。宝物でもと思った息子たちは隅々まで掘ったのだが何も出ない。でも気がつけば、きれいに耕された畑がすばらしい宝物に◆宝物は足元に眠っている。いとわず、うまず。こつこつと掘れば、いつか。「矢野君」に大事なことを教わる。2021・4・4

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