正平調

時計2021/04/06

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オカルトめいた話で恐縮だが、西播磨の警察署に勤めた知人が語っていた。「古戦場と交通事故は関係あると思うんですよ」。なぜ事故が多発するのか、思い悩むうちひらめいたという。真顔だった◆真偽はさておき、西播磨がある時期、歴史の表舞台に躍り出たのは事実だ。主役は赤松氏である。獅子奮迅の働きで足利政権の成立を支え、後年には将軍を暗殺して討たれた。当然、播磨各地が激戦地となった◆そんな昔話を思い出したのは先月、作家小沢信男さんの訃報に接したから。93歳だった。代表作「東京骨灰紀行」が忘れがたい。2000年代の名著と高く評価される◆東京の各所を訪ね歩く紀行文だが、並大抵でないのは多くの人が亡くなった場所や墓地を目指す点。明暦の大火から戊辰(ぼしん)戦争、大震災、地下鉄サリン事件まで、博覧強記が繰り出す史実と現場の情景が結び合う◆災害や事件の記憶を語り継ぐのは難しい。100年、200年後はなおさらだ。小沢さんは独特の語り口で時空を行き来し、死者を友達のように慕う。読み進むうちに、骨灰の堆積は生の積み重ねに思えてくる◆長い歴史を誇る播磨にもあちこちに骨灰の物語がある。小沢節で解説してほしかった。ここで赤松軍と山名軍が激突しましてなぁ、と。2021・4・6

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